個々の用語の前に、AI システムの全体像から。
これはモデル比較ではありません。AI に仕事を任せたとき、どの仕組みがどんな役割を担うのかを学ぶ入門です。
図は概念的な役割を整理したもので、製品の実装を示すものではありません。
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基礎の補給所:LLM が文章をつくる仕組み
Agent、MCP、Harness の前に、入力した文章を AI がどう扱うかを整理します。
製品ランキングではありません。モデルの仕組みから、外部資料、ツール、Agent、検証まで順番に追う入門記事です。
回答ができるまでの流れ
- 01質問する
例:「MCP を説明して」
- 02Token:文章のブロック
文章を単語の一部や文字、記号などの単位に分けます。
- 03推論:次の一手
学習済みの重みと現在の文脈から次の Token を順に生成します。
- 04回答を出力
自然な文章でも事実の保証ではありません。
大量のデータからパターンを学び、モデルの重みを調整する段階。
質問時に学習済みの重みと文脈を使って応答をつくる段階。
LLM は最新情報を自動的に検索するわけではありません。検証には RAG やツール、実行には Agent が必要になる場合があります。
01
ボタン一つの修正が、なぜ全体に広がるのか。
「完了」と言われても、画面を開くまでは分からない。
AI に小さなボタン修正を頼んだら、修正はされたがモバイルのレイアウトまで崩れる。そんな経験から、モデルの賢さ以外にも仕事の質を決める層があると気づいた。
この記事は用語集ではない。AI に作業を任せたとき、どの層が何をしているのか、実際の開発例を通して整理したい。
02
Model:能力の源と製品を分けて考える。
同じモデルでも、環境が違えば仕事の仕方が変わる。
GPT、Claude、Gemini などのモデルは、理解、推論、生成の中心になる。しかし ChatGPT という製品、Agent、CLI はモデルそのものではない。
公式 API の位置づけでは GPT-6 Astra は難しい推論、GPT-6.1 Sol は能力と費用のバランス、GPT-6.1 Terra は視覚理解やコンピューター操作、GPT-6 Luna は大量の定型作業に向く。これらは CLI ではなくモデルの選択肢で、製品ごとに使えるモデルは異なる。
同じモデルも環境によって違う体験に。
GPT ファミリー:仕事に応じて選ぶ四つのモデル
同じ GPT でも能力・速度・コストに違いがあります。モデルとアプリ・Harness は別の層です。
GPT-6 Astra高度な推論と専門業務
複雑な調査と設計GPT-6.1 Sol複雑な仕事とコストのバランス
ソフト開発と資料作成GPT-6.1 Terra画像理解とコンピューター操作
画面判断と操作、自然な文章GPT-6 Luna明確な大量タスクを効率よく
分類、抽出、定型作業- 2022
- 2023
- 2024
- 2025
- 2026AUG–SEP持続型 Agent
Dots / OpenAI
Grok Bot、Muse、dots が持続的な仕事を前面に。
使い心地作業を引き継ぐ相棒:継続・確認。Harness 自体は以前から存在。
SOURCE ↗
03
Context、Memory、RAG:忘れた理由は一つではない。
机上の情報、残したメモ、必要なときに探す資料。
Context Window は机に広げる資料。広くても全書庫を積めば要点が埋もれる。長い文脈で正確に取り出しにくくなる Context Rot に加え、Token コストや待ち時間も増え得る。
Memory は引き出しのメモ、RAG は必要なページを資料室から探して机に置く方法。詰め込むより根拠を選ぶ。ただし検索した資料も正確とは限らない。
04
Prompt は長い呪文より、明確な依頼へ。
目的、背景、境界、受け入れ条件を伝える。
古いモデルでは、細かい手順や繰り返しの指示が役立つことがあった。強いモデルでは、それが余計な作業や衝突の原因になる場合もある。
GPT-6 世代の考え方として、すべての操作を指定するより、達成すべき結果と禁止事項、検証条件を明確にする。高リスクな仕事では詳細な仕様が引き続き必要だ。
モバイルのナビを修正。デザインは維持し、関係ない機能は触らず、実測の証拠を報告。デプロイはしない。
05
Agent:助言から実行へ。
考える → ツールを呼ぶ → 結果を見る → 続ける。
Agent はツールを使って、ファイル調査・変更・検証まで進められる実行システム。Tool Calling はその橋渡しであり、ツール実行自体は外部システムが行う。
Subagent は分担先の Agent、Orchestration は順序や引き継ぎを調整する仕組み。小さな修正で多数の Agent を動かせば良いわけではない。
- 01READsrc/components/Nav.tsx✓
- 02EDITresponsive styles✓
- 03TESTPlaywright · 375px✓
- 04REPORTdiff + screenshots◯
06
API と MCP:通路と標準を混同しない。
MCP は万能の鍵ではない。
API は各サービスが提供する機能の入口。MCP は AI アプリケーションが Tools、Resources、Prompts を見つけて使うための共通プロトコル。
API を直接使うと、アプリごとに GitHub・Google・Slack などの接続実装が必要になる。MCP では Host が Server ごとの Client を介して共通規格で接続できる。各 Server は既存 API を利用することもあり、接続規格は認証・権限を自動で与えるものではない。
同じ GitHub に接続するのに、何が違う?
アプリ側で API、認証方式、パラメータを個別に実装・保守します。
アプリごとに接続の違いを実装する必要があります。
複数の Host が MCP Client を通して、対応 Server の機能を共通の方法で使えます。
各 Server から対応する API に接続
接続規格は共通。ただし利用設定・権限は別途必要です。
07
Skills:毎回同じ手順を教え直さない。
SKILL.md に知識、手順、参考資料をまとめる。
Skill は手順やテンプレート、スクリプトをまとめた再利用可能な単位で、よく使われる形式では SKILL.md を中心にする。
重要なのは全部の Skill を毎回読み込ませないこと。必要なときに必要なものだけ読めるようにする。
---
name: responsive-qa
description: Validate RWD
---
## When to use
After a UI change
## Check
375px · tablet · desktop08
CLI:AI とターミナルで仕事をする。
Codex、Claude Code、OpenCode、agy、DSH を並べて見る。
CLI は Command Line Interface の略で、ターミナルから操作する入口のこと。Codex CLI、Claude Code、OpenCode、Antigravity CLI(agy)、DeepSeek Harness(dsh)は、すべて開発作業で使える実例だが、設計は同一ではない。
CLI の名前をモデル名だと思わないことが重要。複数モデルを選べる製品もあれば、特定のエコシステムに密接な製品もある。
Codex は CLI そのものでも Harness だけでもない Coding Agent 製品だ。Codex CLI が入口で、背後の Codex Harness が実行を支え、GPT モデルが推論を担う。CLI は使い手と Agent をつなぐ入口だ。Codex は CLI 以外の操作画面でも Harness を利用できるし、dsh の CLI は profile を起動して実行環境を構成する。通常の git や npm も CLI だが、AI Harness という意味ではない。
Codex は CLI?それとも Harness?
Codex は Coding Agent 製品全体を指します。Codex CLI はターミナルからの入口、Codex Harness は背後の実行機構、GPT モデルは推論の部分です。
CLI/IDE/App から頼むと、Harness がファイル・ツール・状態・承認を管理し、モデルが理解と推論を担当します。
Codex CLI
$ codexOpenAI のターミナル型 Coding Agent。コードを読み、修正し、コマンドを実行する。
$ codex "Review this repository"▸ Read project instructions
▸ Inspect files and propose changes
✓ Report evidence before release
- 向いている仕事
- 既存 repo の調査、修正、テスト。
- 違い
- OpenAI の Codex 実行環境。CLI はモデル名ではない。
- 注意点
- 作業ディレクトリと権限、テスト結果を確認。
- 使う場所
- Terminal / Git repository
09
Harness:同じ頭脳でも、作業環境で差が出る。
道具、状態、実行ループ、失敗処理と確認。
Harness はエージェントのループ、状態、ツールと承認を管理する実行機構。Sandbox は権限を制限する実験室だが完全隔離ではない。Git の履歴で戻せる変更もあるものの、未保存ファイルや外部への副作用は別に保護する必要がある。
そのため、同じモデルを Codex、Claude Code、OpenCode など別の環境に入れても、体験や成果が異なることがある。
たとえば Codex は CLI・IDE・App から共通の Harness を使える。OpenCode は自分のツールと権限設定を持ち、DeepSeek Harness は plugin と profile で agent loop 自体を組み立てる。どれも新しいモデルの名称ではない。
Harness は、普段使う AI ツールの中にある。
同じ CLI のように見えても、背後で Agent を動かす仕組みは違います。
CLI、IDE、App から同じ Codex Harness の能力を利用できます。
CLI は入口の一つ。背後の Harness が作業を進めます。
Official documentation10
AGENTS.md と DESIGN.md:毎回同じ話をしないために。
開発ルールと視覚言語は別の役割。
AGENTS.md は Coding Agent 向けのプロジェクトガイド。技術、テスト手順、禁止事項を伝える。
DESIGN.md は配色、タイポグラフィ、余白などを記録できる。ただしすべてのツールが自動的に読む統一規格ではない。
Next.js / TypeScript
Testing & boundaries
Type scale / color tokens
Spacing & components
11
Computer Use:画面を見て操作する AI。
API、Playwright、GUI 操作を使い分ける。
Computer Use は画面や GUI の状態を見てクリック、入力などを行う能力。API がない作業にも届く一方、誤認識や悪意あるページ内容のリスクがある。
Playwright のようなブラウザ自動化はテストを安定させる別の選択肢。目的ごとに API、MCP、ブラウザ自動化、Computer Use を使い分けたい。
12
Testing、Evals、Guardrails:完了と言う前に証拠を。
動いたか、上手くできたか、許されるか。
Testing は個別機能や振る舞いの確認。Evals は Agent の成功率、選択したツール、コストなどを継続評価する。Tracing は何が起きたかを追跡する。
Guardrails と権限設定で危険な操作を制限し、重要な送信や本番デプロイには Human-in-the-Loop の承認を置く。PASS は実際に測った範囲を示すだけだ。
テスト範囲と人の確認を明示する。
13
最初に試したい Skill と MCP。
ツールベルトは軽く。まず必要な三つから。
まず Docs / Context7 のような文書検索、Playwright での表示確認、GitHub による変更管理から選ぶ。全部つなぐ必要はなく、作業に必要なものを選択する。
Skill は RWD、デザイン、公開前チェックなど自分の反復業務から作ると役立つ。MCP は最小権限を原則に閲覧から始め、書き込みや公開の権限は必要なときに承認する。多数の Tool は選択ミスや Prompt Injection の攻撃面も増やし得る。
必要なツールだけ、まず読み取り専用。変更や公開は承認を求める。
14
Proactive AI:画面を閉じても続く仕事。
dots、Muse、Grok Bot、OpenClaw を仕組みで比べる。
能動的な Agent は、保存された目標、イベント、スケジュール、外部ツールを組み合わせて継続作業を行う。24時間モデルが思考し続けるという意味ではない。
dots と Muse はクラウド環境を伴う個人 Agent、Grok Bot は持続する Bot と協調、OpenClaw は自分で実行環境を管理する路線として理解している。
クラウドコンピューターと連携アプリで継続作業。
2026 / SEP 29専用 VM とブラウザーで複数サービスを扱う。
2026 / SEP 08各 Bot がコンピューターを持ち、仕事を引き継ぐ。
2026 / AUG 11Gateway、モデル、ツールを自分で管理。
SELF-HOSTED ROUTE15
最後に:私ならどう組み合わせるか。
模型を選ぶ前に、任務と検証を決める。
私はまず要件、変更してはいけない範囲、検証方法を決める。開発には適した Coding Agent と CLI を使い、AGENTS.md と DESIGN.md で既存の意思決定を残す。
ブラウザで実際に確認し、テスト結果と変更範囲を見てから採用する。ニュース調査や定期整理は持続型 Agent を使い分け、公開や削除は自分の承認を残す。
- 01目的を決める
目標・変更範囲・確認条件を先に伝える。
- 02環境を選ぶ
Codex、OpenCode などを仕事に応じて選ぶ。
- 03ルールを残す
AGENTS.md と DESIGN.md を更新する。
- 04証拠を確認
ブラウザー、テスト、差分をチェックする。
- 05自分で受け入れる
公開や破壊的操作には承認を残す。
「できるか」よりも、証拠と結果を自分で確かめたい。
- OpenAI — Rethinking Skills and Prompts ↗
- OpenAI — Harness Engineering ↗
- Anthropic — Effective Context Engineering ↗
- Docker — Engine Security ↗
- OpenAI — Codex as a Platform ↗
- OpenAI — GPT-6 Model Selection ↗
- Model Context Protocol — Architecture ↗
- OpenCode — Tools and Permissions ↗
- DeepSeek Harness — Architecture ↗
- Model Context Protocol ↗
- Agent Skills specification ↗
- AGENTS.md format ↗
- Google Labs DESIGN.md ↗
- Codex CLI ↗
- Claude Code ↗
- OpenCode ↗
- Google Antigravity CLI ↗
- DeepSeek Harness ↗
- Playwright MCP ↗
- Chrome DevTools MCP ↗
- Grok Bot official overview ↗
- OpenAI dots ↗
- Meta Muse ↗
- OpenClaw ↗